反貧困ネットワークの呼びかけによる「入管法改定案の廃案を強く求める共同声明」が4月19日に発出され、つくろい東京ファンドも賛同しました。「共同声明」は反貧困ネットワークの皆さんの手で、全ての衆議院議員の事務所に提出されました。

国会周辺では、連日、移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)などが中心となり、改定案の廃案を求めるアクションが行われています。

4月21日(金)には19時より、反貧困ネットワークなどからなる実行委員会の主催で「入管法の改悪に反対する大集会」が国会前で開催されます。

私たちはこれらのアクションに連帯し、廃案に向けて共に声をあげていきます。ぜひ、ご注目、ご協力をお願いいたします。

困窮者支援団体・平和・人権団体による「入管法改定案の廃案を強く求める共同声明」

4233人もの基本的人権を剥奪する「入管法改正案」に強く反対し、廃案を強く要求します

私たちは、生活困窮者を支援する市民団体、難民移民支援団体・平和・人権団体です。私たちが支援する人たちのなかには、今回の「入管法改正案」が「送還忌避者」として強制送還の対象にする外国人が多く存在しています。入管庁によれば4233人存在するという「送還忌避者」は、在留資格がないがゆえに、基本的人権すら剥奪されています。それゆえ私たちは、仮放免許可を得て地域社会で生活する「送還忌避者」の生活支援をしています。就労を禁止され、収入を絶たれているがゆえに、すべてを他人の支援に依存せざるをえない生活が、数年間、人によっては十数年にわたって続いています。難民であるがゆえに出身国に帰れない人もいれば、バブル経済期に出稼ぎで来日し、滞在が30年に及ぶ人もいます。日本生まれで、公立の小中高校に通っている人もいれば、すでに大学を卒業した人もいます。


現在国会で審議されている「入管法改正案」は、これら在留資格がない外国人のうち、「保護すべき者を確実に保護」するためとして、新しい制度の創設を提案しています。しかし、私たちは、「保護すべき者が保護されていない」ことに問題の本質があるとは考えていません。問題にすべきは、帰国できない理由が何であれ、現在の日本に、何年にもわたって基本的人権を政府によって剥奪された人が存在する事実ではないでしょうか。


法案は、「退去を拒む外国人」、つまり「保護しなくてよい」とみなした外国人を「強制送還」すれば問題が解決するかのごとくですが、政府は、これまでもずっと「帰国を促すため」として、在留資格がない外国人に対して暴力を行使してきました。私たちが支援している仮放免者たちは、長期にわたる入管制度の暴力で、心身ともに深く傷ついています。入管の制度の暴力で、心身を病み、命まで落とす人がいることは周知の事実です。それだけの暴力をもってしても、帰国させることはできないのです。ということは、政府が提案している「送還忌避問題の解決」とは、それを上回る暴力的な制度でしかありえず、到底容認することはできません。


法案では、長期収容をなくすために、監理措置の導入も提案されています。しかし、監理措置下で基本的人権を剥奪されている事実は変わらず、何の解決にもなりません。そもそも市民団体は、入管の下請け機関ではありません。市民に入管の役割を肩代わりさせ、仮放免者を監視、監理させる制度導入に強く抗議します。

民主主義国家において、人権を剥奪された人がひとりでも存在する事実は深刻であり放置できません。ましてそれが、何年間にもわたって、数千人に及んでいるのが現状です。しかもそれを、政府が故意につくりだしているのです。「送還忌避者」の側に問題があるのではなく、入管制度の理念が根本において破綻していることに問題があることは明らかです。


人間であれば誰もが生まれながらにして持つ基本的人権が、外国人については、「在留制度の枠内でしか保障されない」、という政府の解釈を私たちは到底受け入れることはできません。しかし政府がその解釈を譲らないのならば、基本的人権を奪われる人が存在しないようにするためには、すべての外国人を「在留制度の枠内」に入れるしかありません。つまり「送還忌避者」に在留資格を付与するしか解決策はありません。


私たちは、グローバル化した現代社会に適合した、すべての外国人の人権を保障する制度の創設を求めます。私たちは「送還忌避者」が在留資格を認められ、人権を取り戻す日まで支援を続けます。

2023年4月19日 

提出団体
一般社団法人反貧困ネットワーク/一般社団法人つくろい東京ファンド/特定非営利活動 法人北関東医療相談会/特定非営利活動法人 TENOHASI/一般社団法人あじいる/四ツ 谷おにぎり仲間/NPO 法人さんきゅうハウス/ひとさじの会/府中緊急派遣村/こまえ派遣村/蒲田・大森野宿者夜回りの会/寿医療班/NPO 法人サマリア/特定非営利活動法人わかちあい練馬/コロナ災害対策自治体議員の会/生活保護費大幅削減反対!三多摩アクション/反貧困ささえあい神奈川/津久井やまゆり園事件を考え続ける会/反貧困ささえあい千葉/ポレポレ 佐倉/宗教と平和を考える市川宗教者の会/ZENKO 千葉/いいね狛江/月末食堂委員会 /「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会/NPO 法人 移住者と連帯する 全国ネットワーク/外国人人権法連絡会/マイノリティ宣教センター/アトゥトゥミャン マー支援/クルドを知る会/在日クルド人と共に/クルド難民デニスさんとあゆむ会/ク ルド人難民 M さんを支援する会/牛久入管収容所問題を考える会/多文化共生プロジェク ト/エルクラノの会(日系ブラジル人エルクラノ君集団殺害事件を忘れない!)/NPO アデイアベバ・エチオピア協会/収容ではなく安心安全な暮らしを/仮放免者等の在留資格 を求める日本人配偶者の会(イマジン)/反差別国際運動/あなたの公-差-転 kosaten/入管収容問題を考えるソーシャルワーカーネットワーク/パレスチナ連帯・札幌/BOND(外 国人労働者・難民とともに歩む会)/START〜外国人労働者・難民と共に歩む会/ #FREEUSHIKU/入管を変える!弁護士ネットワーク/Save Immigrants Osaka/入 管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合/TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)/ 平和フォーラム/ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク「のりこえねっと」/TransgenderJapan/AWCYouth(アジア共同行動関西青年部)/市民の意見 30 の会・東京/だめ連/東京・地域ネットワーク/希望のまち東京をつくる会/市民自治 をめざす三多摩議員ネットワーク/全国フェミニスト議員連盟/困っている人に寄り添う 小金井の会/部落解放同盟東京都連合会/部落解放同盟東京都連合会練馬支部/NPO 法人 練馬人権センター/避難の協同センター/ヘイトスピーチ許さない・練馬/NPO 法人ウィズ・ザ・スモール/I女性会議練馬支部/I 女性会議板橋支部/市民フォーラムよの/杉並 から差別をなくす会/むさしのから差別をなくす連絡会/暮らしささえあいネットワー ク・よりそい北杜/研究所テオリア/医療と福祉の戦争協力に反対する連絡会議/自治市 民/平和カフェ/Mamademo/株式会社橋本新企画/シニアも活き活きはとにプロ/消 費者問題を考える会/にいざしみんホーキの会/くめがわ電車図書館/NPO 法人エコ・コ ミュニケーションセンター/認定 NPO 法人世界の医療団/安保法制の廃止をめざす中野アピール実行委員会/ほしのいえ/反差別国際運動/もの申す女性たち/労働と生活を守る会/日本山妙法寺/平和をつくり出す宗教者ネット/基地のない沖縄をめざす宗教者の集い/特定非営利活動法人 日本ソーシャルワーカー協会/反貧困埼玉/フリーター全般労働組合

連絡先
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