つくろい東京ファンドでは、ハウジングファーストの理念の下、国籍を問わず支援活動を行ってきました。生活に困窮する様々な国籍や立場の方を支援していますが、特に公的支援から外されている、①入国まもない難民認定申請者、②仮放免者について、以下の支援を行ってきました。
(1)ホームレス脱出のためのシェルター事業
難民認定申請者の多くや仮放免者は就労が認められず社会保障の適用からも除外され、自活することができず、公助もない状況に置かれています。そのため、住居を失いホームレス生活になる人も多くいます。
そこで、ホームレス状態になった方々のホームレス脱却のために2021年6月からシェルター事業を開始しました。都内で14世帯24人を保護しています。単身者、夫婦、家族、子供、妊婦。乳幼児から60代後半までの14国籍の方々です。

(2)ホームレスを防ぐための家賃支援
シェルターは常に満室で新規の受け入れが困難な状態が続いており、ホームレス状態になってしまったら支援をすることが極めて厳しくなってしまいます。そこで、ホームレス状態になる前に支援をし、ホームレス化を防ぐために家賃支援を行っています。
2022年8月から開始し、延べ約300件・2100万円、関東地域に暮らす約30の国と民族の世帯を支援してきました。単身者に限らず、家族や未成年の子ども、妊婦なども支援しました。

(3)生きていくための食糧支援
難民認定申請者や仮放免者の多くは、生存する上で不可欠な食糧を得ることも困難な状況です。そこで、支援者の方々のご協力を得て、月に1回50世帯ほどに、米や野菜、レトルト食品等の食糧の入った宅配便を難民認定申請者や仮放免者の住居に送付しています。

(4)日本で生活するための日本語教育支援
命からがら逃げてきた難民認定申請者が日本で生活していくためには住居や食糧のほかに日本語教育も欠かせません。しかし、入国まもない難民認定申請者の多くは日本語を勉強したくてもその機会がありません。そこで、2023年4月から、地域の大学やボランティアの方々と連携して日本語教室を開設しています。
(5)実態を明らかにするための調査研究
ホームレス化する仮放免者の実態を明らかにするために、2023年12月に「仮放免者住居調査」を北関東医療相談会・ビッグイシュー基金・つくろい東京ファンドの3団体で発表しました。その結果、仮放免者の約半数が家賃滞納をし、5人に1人に路上生活の経験があることなどが明らかになりました。

支援の現場では難民認定申請者や仮放免者から「食べ物がない」「ホームレスになりそう」「路上です」といった相談が相次いでいます。いつも救急車に乗っている気持ちです。しかもその救急車には運ぶ先がありません。少しでも皆さんの命と健康を支えるために引き続き尽力します。(大澤優真)
※件数・金額はいずれも2025年5月末時点の数値です。
【物品・活動資金寄付のお願い】国籍で線引きしない困窮者支援活動にご協力ください。
