つくろい東京ファンドでは、コロナ禍の影響で生活に困窮し、住まいを失った人々を支援するため、個室シェルターの増設に努めています。

今年3月以降、不動産業者や賃貸物件のオーナーさんにご協力いただき、新たに都内の31室を確保しました。コロナ以前から借り上げている25室と合わせて、現在、都内で56室を住宅支援に活用しています。

7月末には、ペットと泊まれる個室シェルター「ボブハウス」(都内のワンルーム×2室)も開設しました。

犬や猫と一緒に宿泊できるシェルターの必要性は以前から感じていましたが、東京都内でペット可の賃貸物件を借り上げるのは、一般よりも費用がかかるため、なかなか手を出せないでいました。

しかし、以下の2つの出来事がきっかけとなり、ペット可シェルターの開設プロジェクトを思い切ってスタートさせることにいたしました。

1つ目のきっかけは、コロナ禍における生活困窮者支援の中で、ペットと一緒に路頭に迷う人が出てきたため、ペットのエサ代や治療費を支援するため、「反貧困犬猫部」の活動が始まったことです。

小さな命を守るため お力をお貸しください〜「反貧困犬猫部」を立ち上げました

もう1つは、6月に世界で最も有名な猫の一匹であるボブが交通事故で亡くなったことです。

ボブは、ロンドンで「ビッグイシュー」を販売していたジェームズ・ボーエンさんの飼い猫で、ボブとボーエンさんの物語は「ボブという名の猫」というタイトルで映画化もされました。

世界中の路上生活者を支えたボブを追悼するため、私は「ボブハウス」という名前でペット可シェルターを作ることをTwitterで宣言しました(詳しくは下記の記事をご覧ください)。

世界中の路上生活者を支えた猫の死 – 稲葉剛|論座 – 朝日新聞社の言論サイト

「ボブハウス」設立の計画は、イギリスのボーエンさんにも伝わり、大変、喜んでくれそうです。

現在、発売されている「ビッグイシュー日本版」389号にボーエンさんのエッセイが掲載されているので、ぜひご覧ください。

「ビッグイシュー日本版」389号(8月15日発売号)は、ボブの追悼号になりました。
「ビッグイシュー日本版」389号に掲載されたボーエンさんの文章より。

不動産業者の協力のもと、7月末にはペット可物件のワンルーム2室を都内に借り上げることができ、「ボブハウス」を開設しました。

物件を借り上げるための初期費用は、カリタスジャパンの助成金や皆さまからの寄付金を活用させていただきました。ありがとうございます。

8月中旬には、猫を連れた女性が「ボブハウス」に入居しました。猫の名前は、「マーちゃん」というそうです。

飼い主さんに「マーちゃん」の写真を送ってもらいました。

「マーちゃん」は部屋に初めて来た時に、台所の下の戸棚の奥に空いている隙間に入り込み、飼い主さんを心配させましたが、今ではすっかり部屋になじんでいるそうです。

「ボブハウス」は、「反貧困犬猫部」とも連携しながら運営をしていきます。ぜひ応援をお願いいたします。